ラブ
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タイトル「ラブ」か、原題も「LOVE」ってーと、やや引き気味に観始めた本作だが、思いがけず10話しっかり観てしまった。
ラブコメディです。ややハード目の。
制作は映画「40歳の童貞男」や「素敵な人生の終わり方」を手がけたジャド・アパトー。昨年、北朝鮮パロディ映画「ザ・インタビュー」を制作し、世界中でふざけていたセス・ローゲンを世に送り出した人である。
ドラマの舞台は映画の街、ハリウッド。
彼女に振られた映画オタクのボス、ヤク中・マザコンの彼氏と別れきれないミッキーの2人が出会うところから始まる。そして言ってしまうと、この2人が10話かけてくっつきそうになっては離れ、くっついては別れ、ということを繰り返す話である。
ちなみに主人公・ガスはHOLLYWOODの”O”の中に住んでいる。
どの”O”かは忘れた
と、身も蓋もないことを言ったが、このドラマの何がすごいって、回を追うごとにヒロインがどんどん人としてダメになっていくところだ。
ラジオ局のプロデューサー、手のかかる彼氏と別れきれない、ドンくさくてオタク丸出しのボスのこともほっとけない。
そんなミッキーへの1、2話目の印象は、世話好き・ダメンズ、そして「友達のSNSを見るとみんな結婚して子供産んでそれが幸せだって私を攻め立ててくる」と絶叫して泣き叫ぶ姿も見せてくれる、アラサーにはなかなかグッとくるポイントを持ったヒロインだった。
ところが話が進んでいくうちに、ミッキーの思考、言動の全てがどんどん痛々しくなっていく。
ミッキーがヒドい目に合うわけではない。自分で状況をヒドくしていくのだ。
浅はかな考えで自分の都合で友達を利用して、最低な過去も暴露され交友関係もなくしていく。
(そしてヒーローのはずのガスはどんどん影が薄くなっていく)
なんだなんだ全然違うタイプの男女が出会って成長して、本当の「ラブ」を見つける、とかそんな話なんじゃないのか。
どこに着地するんだこの2人は。
と、サスペンスでもミステリーでもないのに、2人が成長も学びもしなさすぎる、というだけで予想がつかないまま話が進む変なドラマである。
観ている内に、随所に押し出される映画の小ネタも、主人公のボスの行く末もどうでもよくなり、女子と、大人になりきれない大人の悪いところを煮詰めたようになっていくミッキーから目が離せなくなり、ツッコミ続けて気が付いたら10話目。
とにかく観てる間、ツッコミが止まらなかったので、カップルでおしゃべりしながら見るのも楽しいんじゃないでしょうか。
ちなみに1話1セックスぐらいの頻度で、ありとあらゆるシチュエーションが出てくるので家族での視聴はオススメしない。
Netflix『ラブ』予告編
内容・あらすじ
恋愛はうまくいかないことばかり。でも人生に疲れた女とオタクな男が出会って... 本物の愛が見つかることも?『40歳の童貞男』のジャド・アパトー監督による新作ラブコメディが、Netflixオリジナルドラマとして登場。