サバイバルゲーム

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極限環境を渡り歩くムチャな男のサバイバルショー 『サバイバルゲーム』

密林のジャングルも、極寒の雪山も、灼熱の砂漠もナイフひとつで生き抜く男のサバイバルレポート。現代のインディ・ジョーンズ、しかしてその実体は、生き抜くためならどんなゲテモノもおいしくいただく悪食ネイチャーグルメマスターだった!!

 2016.9.10

その冒険家の名はベア・グリルス。イギリス軍特殊部隊SASに従軍した経歴を持ち、英国登山家最年少のエベレスト登頂でギネスブックにも認定された男。

彼がホストを務める「サバイバルゲーム~MAN vs. WILD」は、熱帯雨林のジャングルや荒涼とした砂漠地帯など、極限環境の下でいかにして生き残り、ヘリコプターのいる救出ポイントや人の住む集落にたどり着くかをベアが身をもって体験レポートする番組だ。

 

ボーイスカウトの延長のようなサバイバル体験ガイドだと思って見てはいけない。

いや、実際に「野外での火のおこし方」だとか「野宿するさいの暖のとり方」といった指導もたびたび行われはする。だが彼の場合、氷河を裸で泳いだ後どうすれば死なないかだったり、トナカイの生皮をその場で剥いで暖をとる方法だったりと「そんな状況絶対ねえよ!」ということばかりなので、まず現実的な参考にはならないだろう。

彼が作ったイカダはたいてい途中で壊れるし・・・。

 

あえて人が絶対に住めないような大自然ばかりを選び、ヘリからスカイダイブで飛び込む男、それがベアニキ(ファンからは敬意を持ってそう呼ばれているようだ)。

まさに「MAN(ベア)VS WILD(野生)」。

ドキュメンタリーというよりも、自然との対決ショーとしてアニキの危険な冒険をハラハラと見守るのがこの番組の楽しみ方である。

 

だが冒険そのもの以上に私が一番の楽しみとして追いかけてしまうのは、彼が生き抜くための食事の数々。

基本的に全て現地調達が決まりなので、毎回その場で食べものを探すのだが、運良く熟れた木の実がなっているなんてことはほぼない。タンパク質の摂取はたいてい、その辺にいる虫やミミズ、ヘビなどである。

この食べっぷりが、もう、すごい。

 

イモムシは頭を引きちぎってむしゃむしゃ噛み、昆虫は歯の間から足がうごめいてようと気にせずばりばり食べる。ピラニアは蒸し焼き、焼いて食べればまだいいほうで、生魚はもちろんシマウマの死骸すら生のまま歯で皮を剥ぎかぶりつく。ばい菌だらけの泥水もTシャツで濾過して飲む。

だが砂漠では水すらないわけで、サソリでひとまずの栄養(?)は摂れても脱水症状は必至。

そんな時に彼が飲むのは、らくだの「胃の中身の絞り汁」!!ヒイー!

このお兄さん、普通じゃない!

 

ほかにもここに書くのを躊躇ってしまうような多種多様なゲテモノが登場するのだが、ベアニキは全てしっかり飲み込んで「鼻くそのような味です」などときっちりその味をレポートしてくれる。

そんな様子をギャーギャー言いながら顔を覆って見ているのだが、時には「美味しそう」と思ってしまうことすらあり、ついつい次週のお食事が楽しみになってしまうのだ。

この悪食グルメレポは視聴者にも人気なようで、シーズンの中にはグルメ特集回もある。

 

何でも食べるベアを観てると「人間、ちょっとやそっとじゃ死なないんだな」と妙な勇気が湧いてくるから不思議だ(絶対にマネしないけど)。

是非皆さんも、そんな強靱な(胃を持つ)男の飽くなきチャレンジを見守って欲しい。

※Huluにて配信中
© Discovery Communications

作品データ

製作年:2006年~

製作国:イギリス

言語:英語

原題:MAN vs. WILD

出演:ベア・グリルス